地方銀行のある支店に勤務する、川岸恭子(仮称)は、入社5年目になる。彼女は入社以来窓口業務を担当してきた。
銀行には定期的に業務検査がある。最近になって検査によるミスの指摘が増加していた。
今朝のミーティングでは上司から「今日からミスをなくすために、カイゼンアドバイザーに来て指導してもらうことになりました。」と言われた。
アドバイザーとのカイゼン活動は、10時に始まった。
アドバイザーは「5月の検査指摘件数は、22件でした。」と言った。
ミスをなくしたい気持ちはもちろんあるけれど、この忙しい時にカイゼンどころではない。
カイゼン活動をやっている間にお客様を待たせる事になるのではないか、ということが心配になった。
しかし、活動中は上司がバックアップしてくれると言われたので、断る理由は無くなってしまった。
仕 事のプロセスの整流化といっても何のことなのか?恭子は想像もつかなかった。
アドバイザーが書いてくれた行内の書類の流れ図を見ると、確かに矢印がテラー(窓 口担当者)の後ろ側で行ったり来たりしている。
この自分の後ろの書類の流れが複雑で、間違いが起きやすくなっているとアドバイザーに指摘されたのだった。
一人のお客様から受けた業務の処理を、前列だけで完結させるようにすれば、一つ一つの業務を順番に処理することができる。
今まで、後席にいる上司とのやりとりがあるので、お客様をお待たせしないように、いくつもの処理を並行してやることしか考えていなかった。
一つ一つやれば、自分の頭の中も混乱せずにできるようになる。
結果、
プロセスが整流化された事により、1件の処理時間が約30%短縮できるようになった。
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