製造の生産性の足を引っ張っていると言う指摘を受けて、
設計のカイゼン活動が始まりました。
初めに、設計者の毎日の実態はどうなっているのか?どんな日常なのかを調べてみました。
慢性的な繁忙感のなかで日々仕事に追いまくられている設計者の姿が、
浮かび上がってきました。
業務工数を細かく調べてみたところ、設計者が設計以外の多くの仕事に関わっていることがわかりました。
そこで設計者のやるべきことと他の人に任せることを層別して、
設計者の負担を軽くしました。
その上で、毎月の日程計画に仕事の負荷を平準化して折り込む仕組みを追加しました。
月度のスケジュールをしっかり作りましょうと言うことです。
どれだけの仕事量があって、それをやり切ることができる能力がどれだけあるのか?
経験によって能力も異なりますので、それを含めた個々の能力を検討しました。
「なんとか頑張る!」と言う世界を脱出するために、全員でワイガヤをやりながら、
良い方法を検討して、次々に実践していきました。
下図をご覧ください。
カイゼン活動を始めて、37製番までは、設計のリードタイムはなかなか縮まりません。
さらに分析を進めると、設計者は複数の製番を抱えているため、先の整番が終わらないと、すぐに次の整番に着手できていないという事実が浮かび上がってきました。
(棒グラフの青い部分)
日程計画表に整番の着手日程を明記しました。
加えて、設計者がその日程を守れるように、
毎朝のミーティングで進捗状況を報告して、リーダーが負荷調整をすることにしました。
45整番から、発番後速やかに着手できるようになりました。
まだ、整番ごとに見ると山谷がありますが、顧客の要求仕様によるもので、
設計者一人一人は負荷調整されていますので、繁忙感を訴える人がいなくなりました。
もう一つ設計者を煩わしている原因に、製造命令書の誤記があります。
これは前工程である営業の問題です。
製造の生産性向上から始まったカイゼン活動ですが、どんどん前工程に遡ります。
設計は営業と話し合って、営業にもカイゼン活動をしてもらうことになりました。
その話し合いの中で、製品の技術情報がわかりにくいという営業からの相談があり、
製品情報のマニュアルをわかりやすく改訂することになりました。
Comments