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執筆者の写真Hatsuo Yamada

国際詐欺団からの「愛の手」にご注意を!

東洋思想では、「この世の中は、心が作り出している」

また、「この世界のすべての物事は、心の中において、関係性(縁起)の上でできている」ものと考えます。


物理的な現実の世界は、世界の人口の数だけ存在するというのが古くからの東洋の思想です。


人がある現象を認識しているだけであり、心の外に事物の存在はない。

そして一人一人の人は、それぞれの心で生み出した世界(空間)を認識しているに過ぎないというわけです。


人それぞれの心で生み出した仮想の空間をリアルに意識するということは、臨場感を感じていることになります。


逆に、仮想空間をリアルに感じられないということは、臨場感を感じていないということです。


人間はある世界(仮想空間も含む)に強い臨場感を持つと、

その世界がリアルとなります。


私のブログでも何度も紹介しているホメオスタシスの働きは、物理的現実世界の環境の変化だけではなく、脳内の情報の変化にも反応しています。


ホメオスタシスとは、恒常性維持機能のこと。人間はストレスになりうる外界の環境の変化に対して、常に安定した恒常的状態に保とうとする仕組みを持っています。ホメオスタシスは、生体を生きながらえさせるために、外界とフィードバックして常に自分の情報を更新します。外界の気温が上がれば、体温を下げる。運動すれば、そのエネルギーを供給するために呼吸や心拍数が上がる など。


仮想の空間に臨場感がある、リアルに感じるように働きかける力がホメオスタシスなのです。


私たちは他人との間に、共通の客観的な世界(空間)があるように感じています。


他人の「臨場感空間」を自分と共有することができれば、

他人を同調させることができるようになるのです。


人間がなぜ、空間をつくるのかといえば、臨場感を共有するためです。二つ以上の個体が空間を共有するために、情報処理空間をつくり、その空間を安定的にする働きがホメオスタシスというわけです。


人が無意識で体温を調節したりするのは、生体を安定的に維持しようとするためで、そのためにホメオスタシスがあると考えがちですが、それは間違っています。


ホメオスタシスがあるから、この世(宇宙)が生まれたのです。この宇宙の存在を維持する力が、ホメオスタシスなのです。


ですから、個人の物理的空間も情報空間もホメオスタシスにより維持されています。


それだけではなく、同じ世界の中で生きている、人と人の関係にも同じようにホメオスタシスの力が作用するのです。


物理空間で、汗を流して体温を調節しているように、情報空間では臨場感を保つこと、リアルなイメージを持つことがその手段となるのです。


臨場感のある空間から離れると人間は死んでしまいます。

物理空間での「呼吸」という臨場感から離れてしまうと、呼吸しなくていいことになってしまいます。

呼吸をしないと人間は死んでしまいます。


物理空間の死というのは、物理空間の臨場感の状態がなくなるということです。

臨場感のある空間に参加しなくなることです。臨場感空間に参加しないことを死と呼んでいます。


以上のことを考えてくると、人とのコミュニケーションをうまくやれるようになるということは、その人と自分との間に共通の臨場感空間を作り、その臨場感空間をコントロールすることが秘訣だと言えます。


あなたがコントロールできる臨場感空間に、相手を引き寄せればいいのです。


一つの臨場感空間を二人以上の人が共有すると、共有している人たちの間で特別な感情が生まれます。

これを臨床心理学では「ラポール」と呼んでいます。


ここで、最近私が遭遇した一つの事例を紹介します。


この写真は、有料サイトからダウンロードしたもので、下記のストーリーとは関係ありませんん。


ある日私は、外科医の女医さんから、Facebookで友達リクエストをもらいました。

彼女が最近Facebookに加入したばかりだということが気になりましたが、ロンドン在住だというプロフィールなどから、ゴルフの話題ができるかな?くらいに思って、友達リクエストを承認しました。


最初は日本のコロナの事情などについての会話を少しやりとりしました。

彼女は、ワクチンの接種について「摂取してはいけない」という返事が帰ってきました。


私は、「さすが女医さんだな。」と少し信用しましたが、一方で今や世界ではワクチンの危険性は多くの専門家が指摘するようになっています。

医師でなくてもこのような見識は持っていてもおかしくはないとも考えていました。


次に彼女は、「国境なき医師団として、イラクに駐在している。今の契約が切れたら、日本に行って開業するつもりだ。」とコメントを送ってきました。


私は、彼女を半分医師として信用していましたので、「私にできるkとおがあったら、力になりますよ。」と返事を返しました。


それが引き金になって、彼女は私に長い文章を送ってきて、自分の身の上を語り始めました。


彼女の身の上話を聞けば、大抵の方は同情してしまうのではないでしょうか。


何年にもわたって、私は自分の仕事により専念してきており、人々の命を救うことが最優先事項となっています。

ここイラクでの生活は、攻撃と相まって非常にストレスがたまり、現在のパンデミックによりさらに困難になっています。

私自身についてもっと詳しく話すのは正しいことだと思いますし、あなたにも同じことをしてもらいたいと思います。


私の亡くなった両親は、戦時中の 1975 年にアメリカに来ました。カトリックの宣教師を通して、彼らが定住し、5 年後に私が生まれた (1980 年) 後にイギリスに再出発するのを助けたと伝えられたからです。

亡くなった父は、私が生まれる数か月前に亡くなりました。これは、私が会ったり会ったりすることのない年上の兄弟を奪った戦争の結果の悲嘆のためです。

そのおかげで、私は亡き母の一人っ子になりました。


私が生まれてから 2 年後、当時の病気で母を亡くし、カトリックの宣教師に連れて行かれ、そこで育ちました。

私が今日の女性になるまで私を世話してくれた私のゴッドマザー牧師マーガレット牧師は、2017年に亡くなりました(彼女の魂が安らかでありますようにアーメン)これは私の人生で最も困難な時期の1つでした私は彼女を知るようになり、彼女から私の人生についてもっと知るようになりました.

私は彼女がいなくて寂しいです。彼女は天国にいると信じています。


私は子供のいない未亡人で、夫は数年前に亡くなりました。


私の母は、にぎやかなナイトライフ、レストラン、大阪城で有名な近代的な日本の港湾都市、大阪の出身です。

父はイギリスのロンドン出身です。

でも悲しいことに、私は大阪に行ったことがなく、その場所がどのようなものか知りません。

私の人生は少し複雑だと私が言った理由がわかりますか?


あなた、あなたの背景、あなたの宗教、そしてあなた自身についてのより個人的なことについてもっと知りたいと思います.うまくいけば、これは私たちがこの友情を築くのに役立ちます.

最後に、私の友人、私たちがここイラクで直面している課題のために、ウェブカメラ、電話、およびあらゆる形態の社会的活動の使用など、社会的設備はセキュリティ上の理由から制限されています.

実際、Facebook や Instagram を利用することはルールに反しています。これが、私がチャットに長く滞在するのではなく、急いでメッセージを求めて急いで出かける理由です。

ライン通信は私たちにとってより良いものになります。事情をご理解いただければ幸いです。

どうか、あなたの祈りは高く評価されます。


私は、最初のこの文章を読んで、少し同情の念を抱いてしまいました。性善説で見たら、それほどおかしな判断ではなかったと思います。


しかし、私は「国境なき医師団というのは、どんな組織なんだろう」と思い、 Googleで調べてみました。


すると、国境なき医師団のHPには、「国際ロマンス詐欺」の警告を促す記事が載っていました。

HPに警告されている典型的な詐欺のストーリでした。


ここで、本題に戻ります。


彼女は詐欺なのですから、もう少しテクニックがなければいけません。

もう少しラポールを勉強すべきでした。


ラポールは強い臨場感空間の共有があって初めて生じます。ラポールが生じるから臨場感を共有するわけではありません。


最初の会話では、国境なき医師団として、厳しい環境で休む間もなく仕事をしている立派な医師という良い印象が伝わってきました。


私の心の中には、その良いイメージと彼女の注射器を持っている写真のイメージが重なり、臨場感空間の共有まで発展しそうな感じもありました。


しかし次のコメントでは、一度も会ったこともない男に愛を告白してきたのです。

なんともリアリティがなさすぎるではありませんか。


ただ、「愛の告白」を早すぎると感じるか、自然に受け入れてしまうかは、初めに感じた臨場感の大きさにもよるのだと思います。


小説を読んでいるときに、臨場感を感じてほろっとすることがあります。これは仮想空間の臨場感が高まった状態です。


この状態をうまく続けながら、私がラポールを感じるところまで高めていけたら彼女は成功でした。


また、国境なき医師団の開示している事例では、見事にパターンが標準化されています。

これは詐欺組織としても、大変お粗末です。



私は、すぐに彼女のアカウントをブロックしました。


おそらく彼女は、Facebookのアカウントを取り直して、別の名前で再度挑戦することでしょう。

この後、数人のカモに対しては、同じアカウトを使うかもしれません。


でも、彼女の所属している猜疑団は、おそらく同じストーリーで、看護婦などの別の職業、違う国に帰るだけで、彼女に続けるように指示をするのでしょう。


これだけパターン化してあるのですから、十分だと思っていると想像できますう。


でも、この標準書には肝心なラポールという知見が不十分です。記載されていません。


仕事のやり方もなっていません。


彼女は私にラポールを感じさせれば大成功でしたが、ホメオスタシスの力の及ばないところで、リアリティをぶち壊してしまっていました。


SNSを利用していらっしゃる皆さんのところへも、国際詐欺団からの「愛の手」が伸びてくると思いますが、くれぐれも仮想空間にリアリティを感じないようにご注意ください。

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