付加価値とは、「お客様にとっての価値をつけること」
トヨタ式(Toyota Production System)では、
ご存知かもしれませんが、「ムダ取り」と言います。
下記の事例を読んでいただいて、少し考えてみてください。
スーパーマーケットの精肉部門のお話です。
カイゼン前
1日目
肉の卸業者から購入したブロックの肉が大型冷蔵庫に入っています
冷蔵庫からブロックの肉を取り出します
それをミンチの機械に入る大きさにカットします
まとめてミンチをして冷蔵庫に中間貯蔵します
2日目
冷蔵庫から昨日ミンチした肉を取り出します
それを小売りのサイズに分けて、トレイに入れてラップをかけます
金属探知機などにかけて法定に検査をします
各店舗に配送します
上記のプロセスで製品の形に変化を与えているものは、カットとミンチだけですね。
製品の形に変化を与えていないプロセスは何も変わっていないのですから、付加価値ではあり得ないのではないでしょうか?
トヨタ式では、これを「加工」と呼びます。それ以外は全て「停滞」と呼びます。
「加工」と見ていた作業も、みjなおしてみると正味作業の他にまだ付帯作業という、価値をつけない作業が見えてくることがあります。
停滞はお客様にとって不要なものですから、全て取り去ることが理想です。
そう入っても、食品衛生法など法律で規定されている、金属探知機による検査はなくすことができません。
また、各店舗への運搬もしなければお客様の元にに届かないですね。
全て取り去ることは現段階ではできませんが、
無くせるものから無くしていくことが基本です。
物理空間のカイゼンの考え方は、お客様にとって要るものと要らないものにわけて、
要らないもののうち、無くせる順番になくしていくことです。
これが「ムダトリ」と呼ばれていることです。
リードタイムの中には、要るものと要らないものしかありません。
要らないもの=停滞を全て取り尽くしたら、付加価値だけになっています。
上の絵は上記で説明した作業のリードタイム短縮をイメージしたものです。
検査や運搬は停滞ですが、現時点では無くすことができません。
しかし、まとめてやらずに一つひとつやることで、冷蔵や仕掛品など、
すぐに無くせる停滞から取っていくことで、2日のリードタイムが1日に半減します。
さらに、加工(価値部分)をもっと細かく見てみると、人間でなく機械に置き換えた方が効率的なものが見えてきます。
付加価値と思っていたものが、さらに効率的になっていくという一段高いレベルの見方もあります。
この製造にかかる時間の長さを、リードタイムといいます。
トヨタ式カイゼンの基本はリードタイムの短縮です。
停滞を無くせば無くすほど、リードタイムは短くなっていきます。
こうやってアイデアを出して、ムダを削っていくことは
逆に言えば、付加価値だけにするということになります。
競争力の向上、や売上の回収時間の短縮につながる大事な概念です。
実は情報空間でも、人の頭の中で動いているプロセスを可視化できたら同じです。
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