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執筆者の写真Hatsuo Yamada

かつての黄金の国に唯一残っているのは、ものづくり

ドイツのロバート・ハベック経済気候行動大臣が、2022年8月15日、ベルリンで記者会見。


「ドイツは、主に安価なロシアのガスへの依存によるビジネスモデルにより恩恵を受けてきた。

 しかし、このビジネスモデルは失敗し、(もう)戻ってこない」という趣旨の発表をしました。


ロシアがEUへのガス供給を中断したため、ドイツ困難に陥り、それを負担しなければならない企業を救出し、その過程で「苦い薬(=ガス税)」を飲まなければならないと説明しました。


「この税金は、人口的に発生した追加費用を分配し、負担するための最も公正な方法です。

 代替案は税金なしではありません。代替案は、ドイツのエネルギー市場の崩壊であり、

 それとともに、ヨーロッパのエネルギー市場の大部分であっただろう」とハベックは述べました。




1940−70年代には、米英7社を「セブンシスターズ」と呼んでいましたが、かつてはこの「セブンシスターズ」が世界の石油を支配していました。


現在はロシア2社、サウジアラビア、イラン、カタール、アブダビ、ベネズエラの国営石油ガス会社7社をセブンシスターズ」と呼びます。


そして、現在ではこの「セブンシスターズ」が世界の石油とガスの確定埋蔵量の65%を支配しているそうです。

(世界的なエネルギー分析会社・シンクタンクである英国系の「ウッドマッケンジー」の報告)



今年2月に、ウクライナ戦争の開始とともに、米欧日が、ロシアを米国側の経済体制・金融システムから完全に追放する史上最強の経済制裁を発動しました。


しかし、米国側から追放されたロシアは、中国やインド、イランなど、米国の支配に従属したくない非米諸国を誘い、非米諸国が全体として米国に依存しない独自の経済体制・金融システムを作って、あっさりとそちらに移行してしまいました。


日本ではあまり報道されていません、というか米国側の情報しか報道されませんので、ロシアは、経済制裁を受けて困窮しているというデマしか伝わってきません。


でも、実態は真逆と言わざるを得ません。


アメリカはニクソンショックにより、金本位制を崩し、その後は言わばドル本位制という形となり、世界の通貨はドルの裏付けによる秩序が続いてきたわけです。


しかし、今回のアメリカのロシアへの制裁によって、逆にロシアを強くさせる方向に向かってしまったのです。


冒頭に挙げました、ドイツのビジネスモデルが壊れてしまったという事実が示している通り、アメリカ側の力は、日本も含めて相対的に弱まっているということが事実です。


新セブンシスターズは、非アメリカ側の国々です。石油ガスだけを見ても65%を非アメリカ側が支配しているということは、今までのようなアメリカを中心とした秩序が崩れはじめている兆候だと言えます。


それでは、これからドルに変わって世界の通貨の裏付けになるものは何かということですが、金(Gold)をはじめとした資源が、その役割を担うことになります。


日本は、これまでの歴史の中で、黄金の国と言われるほど金を持っていましたが、全てかつての先進国に吸い取られてしまいました。


銀にしても、かつては世界に流通する銀のかなり多くの部分が日本産でしたが、今は日本には残っていません。


それでは、日本はどうしたら良いのでしょうか?


「日本は、GDPで勝負するしかない。」つまり、付加価値を上げること以外に日本の価値を裏付けるものはないということです。


付加価値は、資源に代わるものとして十分通用すると思います。


それがうまくいかない場合、国家として破滅してしまうということも可能性としてはあり得ます。


無駄をなくして、付加価値を上げる。まさにこれが日本の生き残る道です。


製造部門のカイゼンは、すでにアメリカや中国などの企業が身につけています。


製品開発力と製造の総合力で、付加価値を上げる力を身につけていくことが日本の生き残る道だと思います。


私のHPには、ブログやフォーラムの形でヒントを公開しています。


中国の一地方になってしまうかもしれない。その前に、まだ生き残る道はあります。

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